前回はリモートワークしやすい間取りについてご紹介しました。
リモートワークに適した賃貸物件とは?Part.1【間取り編】>>
今回はご自宅で快適に仕事をするための通信環境についてです。
【リモートワークをきっかけに住み替えするときに大切なポイントとは?】
②インターネット環境が整っている
間取りに続いて住み替える際に重視されるポイントは「通信環境」です。
最近ではリモートワークが普及しインターネットの需要は更に増えています。
物件情報を見ると、「インターネット対応」「インターネット完備」といった表記を目にすることがありますね。
その違い、インターネット回線の選び方などをご紹介します。
【インターネット「対応」「完備」「無料」の意味の違いとは?】
①インターネット対応
建物の共用スペースまでインターネットの回線工事が済んでいる状態です。
部屋まで回線を引いたりプロバイダー契約をするなどの手続き及び費用の負担が必要です。
大家さんや不動産会社へ、導入されている回線の種類と利用する際の工事費用などについて確認し、
工事は早めに手配しましょう。
②インターネット完備
回線工事やプロバイダー契約も済んでいて、入居後すぐにインターネットが使える状態です。
面倒な手続きが一切なく、回線工事やプロバイダー契約などにかかる費用もいりません。
但し、回線の種類やプロバイダーは選べないので、場合によっては通信速度や安定性が
あまり期待できないこともあります。
あらかじめ回線の種類やプロバイダー、通信速度の状況をチェックしておきましょう。
③インターネット無料
②完備と同じで、回線工事やプロバイダー契約は済んでいます。
さらに月々の使用料が無料になります。
入居後すぐにインターネットを使いたい方、通信速度や安定性より使用料を抑えたい方向きです。
【インターネット回線の種類や選び方は?】
インターネット回線にはいくつかの種類がありそれぞれ特徴が異なります。
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①光回線 【速度:下り1Gbps/上り1Gbps】
電柱から引き込んだ光ファイバーケーブルを通してデータを送信する有線タイプです。
現在主流の回線で、インターネットを利用するにはお部屋までケーブルを引く回線工事が必要です。
インターネット回線の中でも通信速度が格段に早く、
周辺のノイズや電波状況に左右されにくいため安定していることが特徴です。
高速インターネット回線として、今回紹介しているネット回線の中で一番多く利用されています。
また、モバイル回線と異なり通信制限がないのも魅力です。
なお光回線を使用したインターネットは、各部屋まで光回線を引き込んでインターネットを使用するタイプと
光回線が接続されているのは共有部の配電盤室までで、そこから各部屋までは一般電話回線で接続されている
「VDSL方式」と言われるタイプの2種類があります。
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②ケーブルテレビ回線 【速度:下り320Mbps/上り10Mbps】
ケーブルテレビ放送や電話を提供するための光ファイバーケーブルや同軸ケーブルの回線を
インターネット接続に利用した有線タイプの回線です。
回線工事無しで、すぐにインターネットが使えます。
有線で通信するため安定しており、大量のデータ送信にも対応可能です。
但し、ケーブルテレビが提供するインターネットサービスは、基本的に同軸ケーブルを利用しているため
ネット速度が遅いというデメリットがあります。
インターネット回線の最大速度は、下り320Mbps・上り10Mbpsで
光回線と比較すると下りで約3分の1、上りでは100分の1の速度です。
最近では光回線を使用するケーブルテレビ事業者も増加していますので、確認してみましょう。
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③ADSL回線 【速度:下り50Mbps/上り50Mbps】
アナログ電話の回線をそのまま利用してインターネットにつなぐ有線タイプの回線です。
そのため速度は非常に遅く、下り速度・上り速度ともに50Mbpsしかないため
高画質の動画視聴などを快適に楽しむのは少しむずかしいかもしれません。
固定電話を利用している方は安い料金で使えますが、フレッツ光提供エリアでは
2023年の1月にてADSLの提供を終了予定です。
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④モバイル回線 【速度:下り2.7Gbps/上り183Mbps】※WiMAX
モバイル向け通信を利用してインターネットにつなぐ無線タイプの回線です。
ポケットサイズの「モバイルWi-Fiルーター」や室内固定式の「ホームルーター」といった端末があれば
工事不要ですぐにインターネットが使えます。
通信エリア内であればどこでも複数の端末から使える、自由度の高さが魅力です。
各通信事業者が、さまざまなタイプのモバイル回線用Wi-Fiルーターを提供しています。
【代表的なモバイル回線用のWi-Fiルーターやプラン】
・ポケットWi-Fi
…ワイモバイル(ソフトバンクグループ)が提供するモバイル回線。
小型で持ち運びができるため、いつでもどこでもインターネットに接続できるが、
本体購入の分割支払い期間の縛りや通信制限がデメリット。
・無制限Wi-Fi
…毎月のデータ量が無制限で利用できるプランのことを言います。
モバイル回線のほとんどに、このプランが適用されます。
ここで注意したいのが「無制限」でインターネットを使用できる期間や使用できる容量が決められていることです。
たとえば「3日間10GBまで」の場合、3日間で10GB以上のデータ量を利用すると
翌日には通信制限がかかってしまいます。
中には、無制限の条件がもっと大容量だったり長期間だったりするプランもありますが
そういった場合は通信速度が遅い場合があるため注意が必要です。
・WiMAX
…高速通信回線「WiMAX2+」を使用したモバイル回線です。
WiMAXの特徴は、下り最大速度2.7Gbps、上り最大速度183Mbpsと通信速度の速さにあります。
(※最速は通信量やネットの混雑状況など条件による、通信制限がかかる可能性もあり)
端末は、持ち運びできるモバイルルーターと自宅に置いて使うホームルーターの2種類から選べます。
デメリットとしては、電波の都合上障害物に弱く、特に地下での接続が苦手な点です。
・置型Wi-Fi
…コンセントに差すだけでWi-Fi接続ができるホームルーターの総称です。
ドコモの「ホーム5G」やソフトバンクの「Airターミナル」、auの「スマートポート」などが該当します。
配線が不要なので工事の必要がなく、届いたその日から自宅でWi-Fi接続ができるのが最大のメリットです。
また、月額の使用料金は4千円前後と光回線に比べると安く済みます。
デメリットとしては、固定回線に比べて通信速度が遅く、無制限Wi-Fi同様、通信制限があるものがほとんどです。
設定された制限を超えて使用した場合は、通信速度などの制限がかかるため注意が必要です。
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【マンションの配線方式と通信速度】
共有部から各戸へ配線する方法にはいくつか種類があります。
マンションにおいての配線方法は、光配線方式、VDSL方式、LAN配線方式の3種類あります。
光配線方式以外の配線方法は、速度が遅い傾向にあります。
VDSL方式やLAN配線方式は、そもそもの最大通信速度が光配線方式よりも遅いです。
建物の設備や使用するケーブルや端末によって、さらに速度が遅くなることも考えられます。
もし建物に光回線が導入されていないが光回線を希望する場合は、
最寄の電柱から光ファイバーを建物まで引き込み、そこから部屋まで光回線をつなぐ必要があります。
場合によっては外壁に光ファイバーを通すための穴をあける必要もあるため、
かならず大家さんや管理会社に連絡をして光回線導入の許可を得ましょう。
その際、自分の部屋だけに光回線を引き込む場合は集合住宅であっても、光回線契約は戸建てプランになります。
月額使用料は割高ですが、1本の光回線を独占できるので高速かつ安定した
インターネット通信が楽しめるのが魅力です。
①光配線方式 最大通信速度:回線業者の性能通り(基本1Gps)
…最も早い回線。各戸まで光ファイバーケーブルで繋いでいます。
②VDSL方式 最大通信速度:100Mbps
…マンションで最も多い方式。
電柱からマンション内の共有部にあるMDFに光ファイバーケーブルを通し、各戸まで電話回線で繋ぐ方法です。
1つの配線を入居者様全員で共有するため、利用者が多い時間帯が速度が遅くなる場合があります。
③LAN配線方式 最大通信速度:100Mbps
…利用者が増える時間帯は遅くなります。
建物入り口から各戸までをLANケーブルで繋いでいます。
【インターネット無料ってどうなの?】
「無料」になる料金には工事費や維持費も含まれているので、インターネットに関する料金は一切不要です。
また、入居したその日からインターネットが使えます。
退去時も特別な手続きもなく、解約のタイミングによる違約金も発生しません。
では、デメリットはないのでしょうか…?
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①回線速度が遅い可能性が高い
インターネット無料物件では多くの場合、建物全体で同じ回線を契約しています。
居住者全員で回線を分割して使うので、1人辺りの回線速度がかなり遅い可能性が高いです。
さらに、夜間はネットの利用率が高くなりやすいので、回線が混雑し速度が一気に遅くなります。
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②回線・プロバイダが選べない
あらかじめ契約されている回線やプロバイダを利用するので、好きな回線やプロバイダは選べません。
また、仮に回線を乗り換えたい場合は、自分で費用を負担して別のインターネット回線を契約することになります。
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③家賃が割高な場合がある
表面上のネット使用料は無料ですが、家賃や管理費に上乗せされている場合があります。
周辺の一般的な賃貸物件と比べて、家賃や管理費が高くないか確認しましょう。
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④セキュリティに不安がある
インターネット使用料無料物件の場合、とにかく安くしたいという考えから、
セキュリティに不安のあるプロバイダと契約していることや、パスワード等が設定されていないこともあります。
また、インターネットを1つの物件で共有しているため、物件内で個人情報が流出してしまうケースもあります。
インターネット使用料無料物件に住む場合、個人的に無線LANルーターなどを購入し、
パスワードを設定するなど、ご自分でセキュリティ対策を行うことが必要です。
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~新しいお住まいで快適なインターネット環境を整えるには、
現在のインターネット利用状況を把握することが大切です。
ご自分のライフスタイルに合うインターネット環境を探してみてください~