賃貸物件は、一度契約すれば永遠に住めると保証されているわけではありません。
物件によってさまざまですが、一定の契約期間が定められているケースがほとんどです。
今回は賃貸物件の契約期間と、解約や更新の方法について解説していきます。
普通借家契約と定期借家契約の違いは?
物件を借りるときの契約形態は「普通借家契約(ふつうしゃっかけいやく)」と
「定期借家契約(ていきしゃっかけいやく)」の2種類があり、
現在は賃貸物件の9割超が「普通借家契約」で契約されています。
【普通借家契約】
契約期間が1年以上(2年とする契約が多い)で、借主が希望すれば
基本的に契約を更新でき継続して住むことができます。
契約の更新は、最近は自動更新のものが増えてきています。
だいたいは管理会社や大家側から半年前に予告がなかった場合、かつ、
入居者側から1カ月前に解約の連絡がなかった場合、自動的に契約を更新するというようなものです。
自動更新ではない場合、契約期間が終わるタイミングで、更新契約を結びます。
いずれの場合も更新料がかかるのが普通です。
【定期借家契約】
契約期間が1年未満から3年などさまざまです。契約期間が満了したら、物件を明け渡さなければなりません。
(貸主が合意すれば再契約となる)
貸主の方の都合によりますが、再契約を前提とした定期借家契約というものも存在します。
再契約をするときは再契約手数料がかかることがほとんどです。
賃貸物件の契約期間は2年が多いのはなぜ?
一般的な賃貸物件の場合、契約期間は「2年」と定められているケースがほとんどです。
その理由は、普通借家契約で契約期間が1年未満だと、借地借家法29条で
「期間の定めがない建物の賃貸借」とみなされてしまうからです。
期間の定めがない建物の賃貸借となると、解約に関する契約内容を定められないのは大家さんや管理会社にとって
不利なことなので、普通借家契約で1年未満で貸し出すことは基本的にありません。
そして、賃貸物件を借りる人たちのライフスタイルを考慮すると3年では長すぎる場合があるので、
2年となっているところが多いようです。
基本的に、1年未満の賃貸は定期借家契約のものが多いです。
「良い物件だったら安定して住み続けたい!」という場合は、普通借家契約のものを探すのがオススメです。
契約期間が終了したときの手続き方法
入居から一定の期間が経ち、所定の契約期間が終了すると
「そのまま住み続けるか」「解約して転居するか」を決めなければなりません。
①契約を更新したい場合
管理会社(もしくは大家さん)にまず自分の契約が自動更新か手動で更新手続きが必要か確認します。
自動更新であれば、特になにもしなくても契約期間が満了した際に自動で契約更新されます。
自動更新でない場合は、自分で更新手続きをします。
更新方法は契約によるのですが、更新時期が近くなると管理会社や大家さんから
更新手続きの案内が届くことがほとんどです。
案内と共に更新に同意する書類も添付されています。
この書類には現在の家賃と更新後の家賃、更新料に関することなどが書かれています。
場合によっては更新後の家賃に変動があることもあるので、きちんと目を通しておきましょう。
更新の際にかかるお金は、物件の更新料(家賃の1カ月分のところが多い)、火災保険の更新料、
保証会社への更新料の3つが基本です。
②契約期間満了で解約したい場合
物件の解約手続きが必要ですが、物件によっては借り主から申し出ない限り
自動更新されてしまう場合もあるので注意しましょう。
賃貸借契約書には、更新時の通知方法などが必ず記載されています。
また、解約したい場合の申し入れ期間も明記されているので、
確認したうえで期間内に解約を通知するようにしましょう。
途中解約はできる?違約金はかかる?
途中の解約に関しては、違約金は発生しないことがほとんどです。
特約として「契約期間1年未満の退去は違約金が発生する」等と記載されている場合を除いて、
違約金が発生することはありません。
普通借家契約で2年契約をした場合でも、必ず2年間は住まなくてはいけないというわけではありません。
賃貸借契約書の内容にもよりますが、解約する1カ月前までに、解約したい旨を通知するよう
定められているケースがほとんどです。
1カ月を切って解約を通知した場合、翌月分の家賃も支払うよう請求されることもあるので注意してください。
~退去前や更新前には契約書に目を通して、契約期間や更新料、違約金にいたるまで契約内容をしっかり確認しましょう~