賃貸物件に住んでいて、複数の家電を使用したときにブレーカーが落ちる経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
電気の容量が少なくて不便を感じている方は、アンペア数を変更する方法がおすすめです。
そこで今回は、賃貸でアンペアを変更するときの注意点とアンペア数の目安についてご紹介します。
~アンペアとは?~
「アンペア(A)」は、「電気の流れる量(電流)」を表す単位です。
一度に使う電気の量が小さければアンペアも小さく、一度に使う電気の量が多ければアンペアも大きくなります。
電気契約における「アンペア容量」はいわば「道路の幅」のようなイメージです。
道路の幅が狭ければ一度に通れる車の数は少なく、幅が広がれば一度に通れる車の数も2台、3台と増えていきますよね。
アンペアも同じで、アンペア容量が大きくなればなるほど、一度に使える電気の量も増えていきます。
電気を契約する際は、このアンペア容量を正しく選ぶことが大切です。
~アンペア容量が小さすぎる、大きすぎると…?~
一度に使う電気の量に対して選ぶアンペア容量が小さすぎる場合、頻繁にブレーカーが落ちてしまいます。
ブレーカーが落ちないようにするためには、一度に使用する電化製品の量を減らさなくてはなりません。
それぞれの電化製品を使う時間帯をずらせるならば問題ありませんが、それが難しい場合、アンペア容量を引き上げる必要があります。
一方、契約しているアンペア容量が大きすぎても、一度に使える電気の量に余裕があるということになり、実質的に問題はありません。
しかし、多くの電力会社では、アンペア容量に応じて基本料金が決まる仕組みをとっており、契約アンペアが大きいほど、基本料金も高くなります。
そのため、アンペア容量が大きすぎる場合、必要以上に高い基本料金を払っていることになります。
例えば、東京電力の従量電灯プランは、契約アンペアの大きさによって基本料金を決定している電気料金プランのひとつです。
実際に基本料金がどのように変わるのでしょうか。【2023/06/01現在】
契約アンペア数 | 基本料金(円/月) |
10A | 295.24円 |
15A | 442.86円 |
20A | 590.48円 |
30A | 885.72円 |
40A | 1180.96円 |
50A | 1476.20円 |
60A | 1771.44円 |
~契約中のアンペア容量の調べ方~
↓「ご使用量のお知らせ(検針票)」
↓分電盤の中のアンペアブレーカー(○○Aと記載)
「今契約している電気のアンペア容量がわからない」という方も多いのではないでしょうか。
電気の契約アンペア容量は
・電力会社から送られる「ご使用量のお知らせ(検針票)」
・電力会社のホームページ
・室内の分電盤の中のアンペアブレーカー
いずれかで確認できます。
~アンペア容量の選び方~
①世帯人数別のアンペア容量の目安
世帯人数別の一般的な契約アンペア容量の目安は以下です。
ただし、電気の使用状況はそれぞれの家庭で異なりますので、より正確なアンペア数を知りたい場合は、次の計算方法で確認しましょう。
【1人暮らし】20~30A
【2人暮らし】30~40A…乾燥機や食洗器など電化製品が多かったり、在宅ワークなどで電化製品の使用が多いなら40A
【3人・4人世帯】40~50A
②使用している家電から計算する方法
電気契約の時に必要なアンペア数を正確に知りたい場合は、ご自宅の電化製品の消費電力(W:ワット)から計算をすることが可能です。
ご家庭で、一度にもっとも多くの電気を使う場面を想像してください。
その時に使っている電化製品の消費電力(W)からそれぞれの電化製品に必要なアンペア(A)を計算し、そのアンペア数をすべて足し算すると、必要なアンペア容量を求めることができます。
アンペア(A)の求め方:
アンペア数(A)=電化製品の消費電力(W)÷電圧(100V)
【よく使われる電化製品の消費電力】
モデルや性能、サイズによって消費電力は異なりますので、正確な消費電力は取扱説明書や本体の記載を確認する必要があります。
製品 | 消費電力 |
IHクッキングヒーター | 1400~3000ワット |
エアコン | 300~3000ワット |
食器洗い機 | 1100~1300ワット |
電子オーブンレンジ | 1000~1400ワット |
ドライヤー | 600~1200ワット |
掃除機 | 850~1000ワット |
洗濯機(洗濯時) | 200~400ワット |
冷蔵庫 | 100~300ワット |
炊飯器 | 100~300ワット |
液晶テレビ | 100~200ワット |
~アンペア容量の変更方法と注意点~
賃貸でアンペア数を変更したいときは、まず大家さんや管理会社に相談することが大切です。
なぜなら、アンペアを変更するには業者を自宅に呼び、ブレーカーや分電盤を交換しなければならないからです。
ブレーカーや分電盤は管理側の所有物なので、自己判断で工事を依頼することによって賃貸契約の違反と捉えられてしまう可能性があります。
物件の管理側に許可をもらえたとしても、退去時に元のアンペアに戻さなければならない可能性もあります。
大家さんや管理会社へ相談する際に、退去時の対応についても確認しておきましょう。
許可がもらえたら、ご契約の電力会社に連絡して依頼すれば無料でアンペアブレーカーの取替え工事をしてもらえます。
一度アンペア変更を行ったら一年は同じ容量を契約しなくてはいけないことに注意しましょう。
~新居に引っ越したタイミングで契約アンペア容量の見直しをしてみるのが良いかもしれません。
賃貸の場合は、まず大家さんや管理会社に相談してみましょう。
また、電力自由化以降、お得になりやすい/様々なライフスタイルに合わせた電気料金プランを提供する電力会社がたくさん登場しました。
今よりも単価の安い電気料金プランや、ご自身のライフスタイルに合った電気料金プランを見つけて乗り換えれば、アンペア容量や電気の使用スタイルを変えることなく、電気代を節約することもできそうです~