賃貸物件への申込は先着順です。
人気のある物件の場合、早めの申込が必要になります。
内見などを済ませていざ賃貸を申し込んだとしても、急に転勤が決まったり、
心変わりをしてキャンセルをしたいと思ってしまった場合どうすればいいのでしょうか?
実はキャンセル可能なタイミングというものがあり、タイミングを逃すとキャンセルが出来なくなります。
またキャンセルできる場合、費用がどの程度戻ってくるのかが気になるところではないでしょうか。
今回は賃貸物件の申込後のキャンセルについてです。
【いつまでキャンセルできるの?】
賃貸物件を借りるには、まず『申込み』という手続きをしてから『契約』に進みます。
一般的に、『申込み』の段階であればキャンセルできます。
しかし、厳密にいうと法的には双方の合意ができていれば契約書への署名・捺印の有無に関わらず
契約成立となります。これを『諾成契約』といいます。
いつの段階で契約成立とみなすのかは物件によって異なりますので、
事前にキャンセルした場合について確認しておきましょう。
◆申込みとは◆
入居したいという意思表示として『入居申込書』を提出します。
この入居申込書は入居意思の確認をするものにすぎないため、
記入後でも入居申込をキャンセルすることができます。
その後、申込書の内容により入居審査を行います。
審査を経て問題がないと判断されれば、重要事項説明を受けて『契約』に進みます。
◆重要事項説明とは?◆
『契約』の手続きの前に、宅地建物取引士から契約する物件の仕様や規約について、
重要事項説明書を元に説明を受けます。
◆契約とは?◆
重要事項説明の内容に問題がなければ契約内容を確認し、契約書に署名・捺印します。
★一般的にはここで契約成立、契約書に署名・捺印していない状態であればキャンセルが可能★
【やむを得ずキャンセルする場合はどうするの?】
どうしてもキャンセルをせざるを得ない事情が発生した場合は、
できるだけ早く(契約手続きに先立って)不動産会社の担当者へ連絡するようにしましょう。
契約手続きにあたり、仲介会社の担当者・管理会社の担当・大家さん・保証会社・契約書作成者など
かなりの人が動いています。
もしキャンセルしたとすると、これらの業務に携わっている方全員に迷惑が掛かります。
また、入居の申し込みがあると、管理会社はそのお部屋の入居者募集をストップします。
他の方が「入居したい!」と言っても、断らなければいけません。
どのような事情にせよ、なるべく早くキャンセル理由を正直に話して謝罪することが大切です。
【預けたお金は返金されるの?】
物件を申込みする際に、1万円~家賃1ヶ月分程度の「預かり金」を不動産会社に預けるケースがありますが、
預かり金はあくまで不動産会社が契約締結まで預かっているだけなので、
契約締結に至らなければ、全額返金されます。
しかし、初期費用を払って契約書を交わし、あとは入居日にカギをもらうだけという
段階になってからでは、キャンセルはできません。
契約後のキャンセルは『解約』扱いとなり、契約時に支払ったお金のすべてが返金されることはありません。
つまり、今まで住んでいた部屋から退去する際の精算と同等になるのです。
通常の解約なので、返金されるお金に関しては、礼金・仲介手数料・1ヶ月分の家賃は戻らないと考えましょう。
しかし部屋を使用していない以上、敷金は戻ってくる可能性があります。
火災保険料も、自分で保険会社に連絡して解約の手続きをすれば、未経過分は戻ってくる可能性があります。
~契約前ならキャンセルできるからといって気軽に複数の物件に申込みをすることはタブーです。
キャンセルとなれば関係する人たちに迷惑がかかることをよく理解し、
できる限りキャンセルする事態にならないようにすることが大切ですね~